あさがおさん観察日記 '16

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2014年8月7日(木) 20:27

いつもご覧頂き有り難うございます

 え?いきなりなんだって?

 気持ち悪いって?

 blogを休止する前触れじゃないかって?

 そういう特別な件は全くありませんよ。確かに私的な案件で幾つか難題を抱えてアップアップしてますけど (^^; ここを休止とか閉鎖する状況は今のところ全くありません。


※ 少しだけディメンション・ゼロのお話を

 先日発表されたD0(ディメンション・ゼロ)のサポート終了の件を受けて、うちのD0関連のコンテンツへのアクセスが増えています。色々と読んで参考にして頂いているようで、素人なりにでも書いておいて良かったかなあと思っております。で、そういう反響の中に1つこんな話が出ておりました。

「せっかくディメンション・ゼロの年商データを持ってるんだから、D0がどの辺からあかんくなってその原因が何なのかを書いてもらえると分かりやすいかも」

 これを読んで確かにそうかもしれないなあと思ったので改めて書きます。D0ファンや関係者の方々が読んだら怒られるかもしれませんが今回はあえてはっきり書きます。


ディメンション・ゼロの年商がまともだったのは
せいぜい発売初年度の半年間くらいで
あれだけの賞金制競技イベントをやる値打ちがあるような
満足な年商は過去に一度たりとも上げておりません


 ここでデータを書く際に良く使う数字なんですけど、メーカーが販促の経費として使う費用は年商の5%が1つの目安と言われています。つまり賞金総額が2000万円と言われていたD0の賞金制競技イベントを維持しようと思った場合、賞金を捻出するだけでも4億円の売上が必要なのです。そしてD0が年商4億円を目指せるペースで売れていたのは残念ながら発売初年度の2006年2月期だけです。私に言わせるとD0は発売年はともかく翌年以降はずっと赤字経営だったのです。

# だからD0は途中から萌え導入によるファン層拡大を打ち出したり色々迷走したわけです。賞金制競技イベントを好む競技プレイヤー達が満足な量を買い支えてくれなかったわけですから。

 このデータ1つ取ってみてもD0が今の今までサポートを続けてくれたのは奇跡としか言いようがないかと思います。ただ逆に言えばD0とかVSシステムの失敗があったおかげで日本のTCGメーカーが賞金制競技イベントを軸に据えたTCGの販促を視野に入れなくなったわけです。この辺りを日本のTCG界は今からでも反省して次世代に活かすべきじゃないかと考えます。

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2014年2月24日(月) 23:38

ディメンション・ゼロと Magic:the Gathering の未来を分けた物

 今日はこんなタイトルで書いてみます。

 日本国内でそこそこ長くTCGに触れてこられた方ですと、タイトルをご覧になってこの後私がどういう話を書こうとしているか、おおよそ想像が付くんじゃないかと思っております。言うまでもなく Magic:the Gathering (以下 Magic と略す)はTCGの元祖と言われるゲームで、その販促企画として以前から賞金制競技イベントを導入してそこそこの成果を挙げています。(ただ Magic そのものはともかく間違っても賞金制競技イベントには大成功と呼べるほどの知名度や社会認知度はないと思います。)一方でディメンション・ゼロ(以下D0と略す)は和製の賞金制競技イベントを持つTCGとして鳴り物入りで2005年11月に登場しましたが、2010年4月を最後に新製品が発売されていません。私は個人的にD0の年商に関するデータも把握しておりますが、はっきり言うとD0が商業的に成功したTCGと言えるのは発売開始から2年ほどの間だけです。もっと言うとD0最大の売りであった賞金制競技イベントは2009年にいち早く休止されています。

# 特に発売3年目以降のD0は自身の広告宣伝費を全額賞金に注ぎ込んでいる状況でした。もっと言うとおそらくはアクエリアンエイジとかプロジェクトレヴォリューションの販促費まで食い潰して賞金制競技イベントをやっていたという有様です。

 ぶっちゃけ Magic にしても発売から相当長い間、販促企画と呼べそうな物が賞金制競技イベント位しか無かったのが現実です。もっと言うとD0は Magic と比べても随分と頑張って自身の知名度アップとか市場の拡大に汗をかいていた印象があります。しかし今現在起こっている結果はこうなってしまっている、じゃあ両者の明暗を分けた物は一体何なのか。これに関して以前から私個人は Magic が持っていた「元祖補正」という1つの見方をご紹介していて、それはまあ間違いなくあると今でも思っています。少なくとも Magic も幾度か市場低迷の危機を迎えていますし、はっきり言えば Magic に今があるのは間違っても WotC の手柄などではなく、 Magic をこよなく愛して応援し続けてくれた多くの有志のおかげなのです。だったらD0にはそういう有志がいなかったのか?・・・そんなことはないでしょう。しかし両者には現時点ではっきりと結果に違いがありますし、それは元祖補正という件だけでは到底説明が付きません。

 じゃあぶっちゃけD0の世界で何が起こっていたのか。これはあくまでも私の個人的な見方とお断りしておきますけど・・・


「D0は創生期に城内に入った一部の競技指向のプレイヤーが、それ以上競合相手が増えないように自ら城壁にあるすべての門に鍵をかけて封鎖してしまった。だから新規のファンやプレイヤーがほとんど獲得できなくなって窒息死した」


 ・・・というところです。そしてそうなった理由は極めて簡単です。賞金制競技イベントの参加者が少なければ自らが賞金を獲得出来る可能性が高まるので、プレイヤーの中に新規ファンを育てて市場を広げようという機運が育たなかった。プレイヤーの中に「賞金がかかった競技やってる俺様格好いい(ドヤ顔)」的な雰囲気が蔓延して、販売低迷に焦ったブロッコリーが萌えイラスト収録などの方針転換で市場の再拡大を目論んだことに強く反発した。この辺の見方で概ね間違っていないと思います。じゃあ今はどうなのか。その賞金制競技イベントどころかD0の新製品発売そのものまでなくなって、頑なに城内に籠城していたジャンキー達が自ら鍵を開けて城から出ていったことで、結果的に城の風通しがよくなって住み心地が良くなった。だからD0が好きなファンがそこに残って細々とでも暮らしていけるようになった。そういうことなんじゃないでしょうか。

 じゃあD0と Magic では何が違ったのか。 Magic もまあ間違いなく多くの競技プレイヤーが城に入ってきて城壁に内側から鍵をかけようとしました。あまつさえ WotC とか旧代理店は籠城(=競技への著しい偏重)を自身のコンテンツで推奨までしていましたから。しかし実際にはその籠城で膠着した部分をあまり考えなくて済むレベルで市場が広がったこと、そして多くの販売店や有志が「籠城よくない!」という啓蒙で市場を広げる取り組みを行ってくれたこと。(あとは競技偏重の旗振り役だったホビージャパンの取り巻き諸氏が軒並みヘッポコだった辺り《ぉぃ》。)その辺りが功を奏して低迷はしたものの消滅の危機は何とか免れることが出来た。そんなところでしょうか。1つ勘違いしないで欲しいのですけど、この問題はD0と Magic の優劣を言っているわけではありません。少なくとも当時のメーカーが取った販促企画に関してはD0が Magic に劣っていた要素は無いと思っています。ただD0にはプレイヤーの競技偏重による市場の低迷や冷却を乗り切るだけの体力が無かった。それだけの違いなのかもしれないのです。

 そしてもう1つ。これだけ短期間にTCGとしての栄枯盛衰を経験して新製品が発売されなくなったにしては、最近のD0には随分と勢いというか根強い人気があるようにも見えます。おそらく市場には「これだけ人気が維持できているのだから是非とも新弾を!」という意見もあるでしょう。ただ、だからと言って新製品を出して本当に商業的に企業や小売店が販売を維持できるレベルで売れるのか。もっと言うと新製品が発売されたとか、あるいは少額であれ賞金制競技イベントが復活した時に、果たして今のような雰囲気を保てるのか。そういう話があります。Z/Xが成功した今のブロッコリーなら、おそらくD0を再編するに十分な体力がありそうですし、そのノウハウで商業的な成功に持って行ける可能性はありそうです。ただそれを決断して実行に移した途端、それこそ前にD0を失敗させた要因や元凶がそのまま再噴出して一部プレイヤーの籠城が始まってしまう可能性がある。だからブロッコリーは怖くて事に踏み切れないのかもしれません。D0の遙か上を行く競技偏重が蔓延している Magic が今こうやってそれなりに維持されているのは、まあ間違いなく販売店やファンの有志による頑張りのおかげです。そういう動きがD0でも起こってくれるという確信があればブロッコリーは動いてくれるかもしれません。

# もっと言うと木谷社長も以前「いずれは賞金制競技イベントを主軸に据えたTCGを出したい」とおっしゃっていたので、ブロッコリーではなくブシロードから動きが起こる可能性もあります。ただし一度失敗している以上、他にも増して明確な勝算がないと厳しいでしょうけど。

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2011年7月14日(木) 22:02

賞金制競技イベントTCGの維持と発展に関する一考察

 今日はこんなテーマで書いてみます。主にディメンション・ゼロ(以下D0と略す)を念頭にした内容になるかと思います。(基本的に発売が日本国内限定なので試算がしやすいなどの理由からです。)

※ 予備知識編

 物事は何でもそうですけど、こういった賞金を売りにするイベントですと、特に出した数字のインパクトという物が必要になることが多いわけです。例えば「年に一度だけ賞金総額100万円のイベントをやってます」と「1年を1シーズンとしてそのシーズン中に計6回、賞金総額1億円のイベントがあります」で、どちらにイベントとしてのインパクトがあるかなんて今更言う必要はないでしょう。更に言うと賞金というのは競技プレイヤーにとっては貴重な収入源ですので、競技人口に見合うだけのそれ相当分を出してくれないとプロが飯を食っていけないわけです。賞金が少なければ自ずと人気が無くなってイベントの話題性が減り、またプレイヤーが兼業化して将来的な頭脳流出につながるという見方も出来ます。

 じゃあ例えばあるTCGが賞金総額1億円の競技イベントを、自社の売上から費用を自前で捻出する形で開催することを考えたとします。賞金をTCGの売上に基づく販促経費として支出するとした場合、仮に売上の1%を賞金に回すとしても、実に100億円の売上が必要になります。しかもこれはメーカー出荷額ベースの話なので、小売額ベースに換算すると約200億円というところです。はっきり言いましょう、今現在日本でこれだけ売れているTCGは遊戯王OCGだけです。日本国内での遊戯王OCGの人気や取扱店の多さは皆様も色々とお感じになっているでしょうが、あれと同じ事をやらないとこの話は無理なのです。

# 実際のところ「玩具メーカーが使う販促費用は売上の5%程度」ではないかと思っています。その比率で言うと1億円という賞金は年商40億円(小売額ベース)程度で賄えますから、デュエル・マスターズとか下手するとヴァイスシュヴァルツ辺りでも可能になるかもしれません。ただ競技イベントへの賞金支出で販促経費を使い果たし、その他の販促をしなかったTCGがどうなるかって、我々はもう何年もその事例を目の当たりにしてきたはずです(笑)。

 では今度は逆算をしてみましょう。あるTCGの年商がメーカー出荷額ベースで約5億円(小売額ベースで約10億円)あったとすると、その売上からメーカーが工面できる販促経費は通常ですと約2500万円ほどです。従って年間の賞金総額が1千万円ほどの競技イベントなら開催は出来そうです。でもねえ・・・はっきり言うけど総額1千万円の賞金イベントでインパクトを出そうと思ったら、多分年に一度日本選手権とでも銘打ってドカーンとやるしかないでしょう。しかも優勝賞金として仮に半額(500万円)を出すとしても、おそらくプロが賞金でそれなりに食っていくという状況はまず作れません。やはりプロ化とか組織化といった状況からはかなり程遠い感じがします。

 さてこの辺まで進んできて、一部皆様の頭の上には大きな「?」が出ているかもしれません。D0は発売当初にかなり大規模な賞金制競技イベントを展開しており、その賞金総額は年間2千万近くになります。しかもD0はそれだけのイベントを「参加費無料」でやっていました。「参加費無料」です。大事なことなので2回言いました(笑)。仮に上の試算にこの賞金総額をそのまま当てはめてみると、少なくともD0はメーカー出荷額ベースで最低でも約4億円の売上が必要になります。普通の感覚で言えば売上が20億円ないと計算が合いません。しかしこのblogの「ディメンション・ゼロ」でもご紹介している通り、過去にD0がそこまでの年商を上げた歴史は1度としてありません。(発売初年度の2006年2月期には半年で2億円ほど売っていますが、それ以降の年商は右肩下がりのままでした。)それは要するに、D0はその売上の相当部分を賞金制競技イベントの維持に食われており、その賞金支出は非常に厳しい状況の中で決断された結果だったということです。そして残念ながらその賞金制競技イベントは2009年に休止されています。なにしろ2009年2月期の売上はメーカー出荷額ベースで6千万円を切ってますから、そこから1〜2千万円を賞金として支出したら大赤字確定ですよ。 (^^;

# 伺っているところによると、D0の賞金制競技イベントを立ち上げる際に「たとえ収支上賞金を参加費とは別に工面しているとしても、参加費を徴収すると賭博性への疑念が払拭できない」という判断からそうなったようです。D0は競技イベントへの外部企業のタイアップも想定していましたから、少しでも賭博性や違法性を感じさせるような仕組みは避けたかったのでしょう。どこぞのTCGの組織化マネージャーに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいですが。 (^^;

※ 本編(!?)

 さて、うちでは恒例のバカ長い予備知識編を終わりまして、ここからが本題です(笑)。

 上記のような簡単な試算をやってみるだけで、いかにD0が歩もうとしていた道が険しいかは容易に想像がつきます。あまつさえD0はそういう中で更に発売当初「これは賞金制競技イベントを主軸としたガチンコ勝負のTCGだ」みたいなことを言って、自らその間口を大幅に狭めていたのですから尚更のことです。そりゃあそっち方面が好きな似非競技プレイヤー(笑)なら痺れて飛び付きそうなフレーズですよね。 (^^;

 この件に関して私個人が思うのは「D0ファン、特に賞金目当てでD0を始めたプレイヤーの方々って、そういう状況や現実を理解した上で自分に出来ることをしてきたんだろうか?」ということです。D0はその販売低迷を打開するために、途中から人気イラストレーターを起用してその話題性で拡販を目論みました。ところがこの方針転換は一部の競技指向のプレイヤーにはかなり評判が悪かったようです。「せっかく俺達は格好良く競技プレイヤー的に決めてるのに、萌えなんか持ち込まれたらその辺のヲタクと同一視される。萌え目当てのキモヲタなんてD0にはいらねえんだよ」そういうところなのでしょうか。個人がそう思うのは勝手ですし、人の心情なので止めることも出来ないでしょう。でも実際問題としてD0は発売以降年を重ねる毎に売上が右肩下がりだった。そのことに危機感を持って警鐘を鳴らしたのって、過去に記憶している限りですと私くらいのものだった気がするのですが(笑)。更に言えば「もっとD0を売り込もう」「地元に広めて盛り上げよう」なんて動きは起こっていましたか?。おそらく「俺は競技イベントで勝つのに忙しくて手が回らないし、初心者育成なんて面倒だし格好良くない。地元での普及みたいな地味な作業は他の奴がやればいい」という意識のファンが多数派だったのではないでしょうか。そしてその結果がまさに今のこの状況です。

 ではTCGで賞金制競技イベントの維持や発展は不可能なのか。私個人は現在の Magic に関しては「かなり中途半端な事例で成功とも失敗とも言えない」と考えています。出ている賞金総額が中途半端でプロが食っていけるかどうかが不明。しかもメーカーの懐事情などによる安易な賞金の減額があり不安定。更に言うと外部スポンサーがほとんど無く一般向けの知名度に欠ける。この辺が主な理由です。ただD0を始めとするTCGが自身の売上から賞金を捻出するにしろ、外部スポンサーからの支援を得て賞金を準備するにしろ、そこで何よりも必要となるのは“そのTCG自身の高い知名度と幅広いファン層の獲得”です。これがなければTCG自身の売上も伸びないし、外の企業が金を出そうという気にもならないのです。じゃあ、そうなるためにはどうすればいいのか。少なくとも「賞金目当ての自称:プロプレイヤーが適当に何人か集まってワイワイやってる」レベルでは到底無理です。当然ゲームそのものとかその原作(世界観)を売り込むのはメーカーの仕事です。でもその上で自分が住む地元にゲームを広め、せめてゲームの名前だけでも見知ってもらえるような環境を、個人で出来る範囲でいいから作っていくしかないのです。個人がどうこうしたって、そう簡単にゲームが盛り上がるものではありません。でも、やるしかないのです。

# ちなみに我々はこれをモノポリーでやって、イベントに市の協賛を取り付けて会場に市長を召還しました(爆)。

 日本におけるD0の急激な販売の低迷を見ると、なんか私個人は「D0の推進や拡大に汗をかいた個人やショップが、あまりにも少なすぎたんじゃないか?」という印象を禁じ得ません。その点 Magic なんかD0以上にメーカーは何もしちゃいないわけですが (^^; 創生期から Magic に関わってきたショップや個人の有志によって、何だかんだでここまで維持されています。そこが Magic とD0が「かろうじてでも賞金制競技イベントが維持できたか否か」の差になったように感じています。だからと言って Magic を真似ろとは言いません(笑)。あれは間違っても成功例でもなければ模範すべき事例でもないです。ただ私みたいに Magic の中にあったたった1枚のカードに突き動かされて、もう10年以上もこうやってTCGに関わって色々やっている、そういうファンが大勢現れるような環境を作ることは他のTCGファンも考えていいんじゃないかと思います。ただしそういうファンって、カードを競技イベントで勝てるか勝てないかの尺度だけで使い捨てるプレイヤーが世の主流になってしまうと、なかなか育たないような気がします。現にD0に関しては「賞金制競技イベントが無くなった途端に蜘蛛の子を散らすように人がいなくなった」という感を禁じ得ないのですが。おかげで新製品の発売頻度も極端に落ちているように見えますし。

※ 余談編

 これは言って信じてもらえるかどうか分かりませんが、実は私はここ2年ほどコンスタントに Magic に1万円/月とかそれ以上の資金を使い続けています。用途は言うまでもなくコレクションしているカードの購入です。まあ加えてたまに馴染みの店でパックやシングルカードを買ったりもしてるんですけど。

 これは一部の国産TCGでは昔から言われてきた話ですけど、TCGの人気カードには「カード能力的に強いカード」と「カードイラスト的に強いカード」があるわけです。さすがにカスレアの混入を推奨する気は金輪際無いですけど、やはりどうしても世界観の絡みとかデザインの都合で、能力的に今一つなカードは出てしまうもののようです。だったらせめてそういうカードに物凄い破壊力のイラストをくっつけておけば、たちまち無限回収が始まって市場から消えて無くなるわけです(笑)。昔のTCGってそういう工夫や配慮をやっていた記憶があるのですが、例えば最近の Magic ですと1つのカードセット内で「カード能力的に最強=カードイラスト的に最強」を立て続けにやっちゃってましてねえ。 (^^; それで人気カードの価格が上がるのは当然ですけど、おかげで他の不人気カードが本気で見向きもされないとか、コレクターが耐えかねてドロップアウトしちゃうとか、色々と弊害も起こっていると考えられます。

 で、これはあくまでも「TCGでの競技指向になど金輪際興味がなく、甲冑を纏った金髪お姉さんを15年ほど追いかけ続けてきたTCGヲタク」からの提言として聞いて欲しいのですが (^^;


TCGコレクターなんて人種は
競技イベントの推進者からすると
これ以上ない格好のカモなんだから
育てなきゃ絶対に損ですよ(爆)


 これは Magic の世界でも以前は言われていた話なのですが、TCGコレクターって意外に結構な量のパックを買うのです。そもそもお目当てのカードがある時点で購買意欲は高いし、好きなカードが引けなくても高額カードを引き当てればトレードの弾に出来ます。一度ご自身が遊んでいるTCGで試算するといいと思うのですけど、TCGでデッキに必要なカードをパック購入だけで揃えるのはとんでもない費用がかかるはずです。また競技プレイヤー同士だと求めているカードが被っていたりするのでトレードも成立しにくくなります。ところがここにコレクターが何人か現れるとあら不思議。あっと言う間にストレージに余っていたカードをかっさらって競技用の強いカードに交換してくれます。まあおかげで私なんかも創生期の Magic ではかなり大量のパックを買いましたが、そりゃあ高額カードなんて金輪際手元に残しちゃいません。 (^^;

# もっと言うとコレクターって「匂い」がしたら競技イベントにでも行くからねえ(笑)。だって私みたいな人間ですら、かつては Magic のグランプリや世界選手権の会場に遊びに行ってるんですよ。 (^^; 同伴した知り合いは「周りからの視線が痛かった」とか言ってましたが、とうの私自身が気にしていないので問題はないです(ぉ。

 ただねえ・・・例えば最近 Magic で発売された Worldwake というカードセット。これが凄くて「神話レアの神ジェイスを引き当てれば1枚1万円級で勝ち。でも他のカードだったら神話レアであろうがほぼ負け確定」なんて内容だったわけです。 (^^; こんな状況でトレードに行っても、イベント会場やデュエルルームにいる人達は、それこそ雛が餌を求める時みたいに口をパクパクさせて「神ジェイスくれ!」「神ジェイスくれ!」の一点張りです(笑・・・えない)。これじゃあトレードなんて成立するわけがないし、万が一成立しているとしたら神ジェイスを出した側がかなり負けてる状況しか考えられません。TCGを競技イベントで推進するのであれば、一般のカジュアルなTCG以上にゲームバランスは大事だし、ましてやカスレアなんて金輪際入れてもらっちゃ困るのです。そのままだと競技で使えないカードは本気で紙ゴミ以外の何物でもなくなりますから。

 閑話休題。あるTCGタイトルの中に物凄く美麗で秀逸なカードイラストが多数収録され、それとは別のカードが競技的に強いようにバランス設計されている。そうなっていれば、ほぼすべてのカードに需要と供給が生まれてTCGの販売やトレードなどが活性化することが期待できます。もっと言うと、その美麗なカードイラストの部分で女性ファンの獲得すら狙えるようになります。私も過去に何人か Magic の女性プレイヤーとお話しさせていただきましたが、少なくとも彼女達は共通して「綺麗なイラストのカードを使いたい」「趣味に合わないイラストのカードは強かろうが使いたくない」と言っていました。世の中の女性すべてがそうだとは言いませんが、少なくとも女性をTCGに振り向かせて参加や購入を促すときに、カードイラストが戦力になるのとならないのとでは雲泥の差があります。それが要するにTCGという世界の広がりであり、もっと言うと拡販なのです。売れないよりは売れた方がいいに決まっている。だから色んな人に手にとってもらえるようにTCGも工夫すべきなのです。そうやって売上と知名度が上がれば、自ずとそのTCGでの競技だって盛り上がるはずです。

# 皆さんだってTCGの競技イベントをやるにしても、会場にいるファンの2〜3割くらいが女性で、優勝でもしようものならキャアキャア言われてアイドル扱い。そんな状況には素直に憧れるでしょう?。 (^^;

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2009年3月30日(月) 21:22

ニュータイプの勘というやつが・・・

 なんか再び、とんでもない所からLINKを張られた予感がしております(爆)。少し前に専門外の「たこルカ」に関する考察を書いて、どういう訳かこれが幾つかのニュースサイトに捕捉されてアクセスが爆発したばかりなのですが。 (^^;


※ このタイミングでこの話題を出すのは、本当に単なる偶然です (^^;

 なんでもディメンション・ゼロが賞金制イベントを休止されるそうです。ブロッコリーの決算資料の内容をここでもご紹介していますが、最近はその年商が1億に届くか届かないかという状況みたいですので、この措置は致し方ない気がします。それで今程度の賞金制イベントを維持したら、それこそ販促経費が全額吹き飛んじゃいます。一応売上が好転したら再開する意志はあるようですが、こういう話で実際に再開できた事例を私個人は見た記憶がないですが。 (^^; 一部のファンの方には申し訳ないですけど、個人的には「賞金制イベントと心中されるよりは百万倍増し」だと思っています。

 少なくとも日本において、いわゆる「賞金制イベントを販促企画の主軸に据えた」TCGは、これで概ね“全滅”と言って差し支えない状況ではないかと思っています。 (^^; VS.システムは既に販売終了が宣言されていますし、 Magic にしても日本では年商で数億円(ここ1〜2年はLyceeと同程度)という状況が続いています。というか Magic 日本選手権は収支で見ると「予選参加者から参加費として400万円ほどを集めておいて、そのうち1.5万ドルほどを賞金として支出している」のが現状でして、はっきり言えば“賭博”と見なされても仕方ない状況で維持されています。ですから私に言わせると、こんなイベントはあっても自慢にも何にもなりゃしないです。そういう意味で今回のディメンション・ゼロの措置は、私に言わせると「残念だけども潔い決断ではある」と思います。少なくとも参加費を有料にして賭博イベントと化した選手権を維持されるよりは遥かにましでしょう。

# ちなみに今や Magic は米国でも苦戦が言われていて、2008年は米国で年商10億円ほどしか売れなかった模様です。(この件は複数のニュースソースから情報が入っていて、特に 4Kids Entertainment の発表がこれを明確に裏付けています。)昨年の米国TCG市場は全体の年商が100億円台半ばに落ち込んでおり、そのうち半分をポケモンTCGが占めているそうです。遊戯王OCGはポケモンTCGの半分くらいでしょうか。

 ならばディメンション・ゼロのプレイヤーが今後何をすればよいか。これは私ごときがとやかく言わずとも単純明快でしょう。自分の地元でディメンション・ゼロを普及させ、裾野を広げて市場を拡大し、再び賞金制イベントが開催できるだけの売上と人気を確保せよ。そういうことです。ただしTCGというゲームは他の物以上に「遊ぶ環境(プレイヤー+場所)」が重要になるので、通販で安いパックをいくら勧めたところで普及には限界があります。やはり地元にディメンション・ゼロを売ってくれるお店を確保し、そのお店のデュエルスペースなどにコミュニティーを確立し、イベント開催を定例化する必要があるのです。TCGで競技性が強まると、どうしてもイベントを主催するよりは参加する方にメリットが多くなりがちになって、結局イベントを開催してくれる人がいなくなってコミュニティーが崩壊するケースが少なくないようです。ですから経験上言うと「世話好きな大人をきちんと取り込めないTCGは成功しない」のです。あくまでも私個人の見解ですが、そういう視点や施策がディメンション・ゼロには足りなかった気がしています。

 これは Magic に対しても散々言ってきているのですが、私に言わせると「ディメンション・ゼロというTCGの真価はこれから決まる」ということです。賞金制イベントが無くなった。一時期に比べて明らかに売上もプレイヤーも減った。そこでなし崩し的にプレイヤーや流通が逃げ出して、ディメンション・ゼロがTCGとして維持できなくなったとしたら、それは「その程度のゲームだった」ということです。でも皆さんはそうは思っていないでしょう。おそらく今でも多くの人達がディメンション・ゼロに対して愛着を持ち、是が非でも復興させようと思われているはずです。全国にそういう志を持つプレイヤーや販売店が残っている間に、メーカーはその力を結集するための効果的な施策を打つべきです。ただし実を言うと、ディメンション・ゼロはそのピーク時ですら年商が(半期で)2億円程度の弱小タイトルですので、その復興の道はかなり厳しいはずです。ですからまさに「ゼロからやり直す」必要があると思います。それこそ全都道府県を回り直して新規プレイヤーを掘り起こすくらいの覚悟が必要になるはずなのです。実際ブシロードは(おそらくは創生期のディメンション・ゼロでの反省を踏まえて)それをやって成功されているわけですし。

※ 追記

 小売業の世界では、競合他店がやっている良い工夫を真似することは全く恥ずかしいことではないですし、むしろ「良いと分かっていてやらない方が悪とされる」わけです。例えばライバル店が店員の挨拶に力を入れるのであれば、うちはそれ以上に元気な挨拶をして差別化しよう。そういう発想で動くのです。それを「客にペコペコ頭を下げるのは当店のポリシーに反する」なんて言う経営者や管理職は普通いません。それをやれば「あの店はそんな当たり前なことも満足に出来ないのか」と言われて顧客に逃げられるのがオチです。他社に良い工夫や施策を先にやられたら、まずは真似でもいいから同じレベルに追い付いて、更に独自の工夫を加えて追い越して差別化を図る。そういう努力をしない店や企業は時代から取り残されるだけです。


※ あ、そうそう

 今年のエイプリルフールは、どうやら何もネタをやらずに済ませそうです。実は例の木谷社長との対談の際に「そっちで何かやるなら一口乗りますが」という相談をしようと思っていて、当日になってすっかり忘れてしまっておりました。 (^^;

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2008年11月8日(土) 11:21

このタイミングでこういうデータを出してみる

 ブロッコリーの2009年2月期・中間決算の資料が出ました。以前に「個別タイトル毎の販売実績が資料から消えた」というお話をしましたが、どういう経緯からか今回の資料には復活しています。決算の内容が芳しくなかったのもあって、これ以上の信用低下を恐れての措置ではないかと推測していますが。

 ということで、同資料からTCG関連の販売実績を抜粋します。(売上額は「2008年2月期上半期 → 2009年2月期上半期」です。)


タイトル            売上額の推移 前年同期比

アクエリアンエイジ       114 → 116 ( 102.0% )
ディメンション・ゼロ       82 → 57 ( 69.9% )
プロジェクトレヴォリューション  84 → 106 ( 125.9% )

※ 売上額の単位は[百万円]です。
  Lyceeのデータは資料に記載されていませんでした。


 ここで特筆すべきは、やはりD0の不振というか低迷でしょう。前にも述べたように、私の方では販売実績データが削除される前のブロッコリーの決算資料を保管してあるので (^^; その中からD0の販売実績(中間決算分)だけを抜粋してみます。


2006年2月期 : 209(この分のみ下半期分)
2007年2月期 : 109
2008年2月期 :  82
2009年2月期 :  57

※ 売上額の単位は[百万円]です。
  ファーストセンチュリーの発売は2005年11月です。


 実は中間決算での実績を見る限り、D0は発売初年度から毎年その売上を落としているわけです。というか、発売初年度は半年足らずで2億円オーバーを売り上げていたTCGが、今や半期の売上が6千万円ほど(通期換算でも1.2億円足らず)まで売上を落としている計算になります。今年度の実績は全盛期と比べると実に1/4程です。そうなるとメーカーが使える販促経費は(売上の5%と仮定しても)600万円ほどです。正直言うと「これでよく、あれだけの販促企画と賞金制イベントが維持できているものだ」と思いますが、さすがにそろそろ本気で限界なのではないでしょうか。

 先日ブロッコリーは「 DReAM BATTLE!! 」というイベント企画を発表しています。ブロッコリーブランドTCGの「ディメンション・ゼロ」「プロジェクト レヴォリューション」「アクエリアンエイジ」「モンスター・コレクションTCG」の4タイトルのプレイヤー(3〜5人)がチームを組んで戦うという内容になっています。上記の中間決算の内容を見ると、私個人は「これはD0の底上げを1つの目的としている企画なのではないか」という気がします。実はアクエリやPRは今もそれなりに維持されているというか、販売実績は増えていたりします。それに比べてD0の落ち込みが激しいので、人気を維持しているタイトルと連動して何とか・・・という発想です。ですから、この DReAM BATTLE!! は“賞金制の競技イベントになっていない”のでしょう。それが出来るほどブロッコリーの台所事情に余裕がないという理由もありそうですが。

 今年11月末に開催されるD0日本選手権では、それでも優勝者に100万円なんて額の賞金が出ます。(賞金総額は400万円オーバーで、以下200位までがマネーフィニッシュになるようです。)しかしはっきり言ってしまうと、D0はこのイベント一本で広告宣伝費をほぼ全額使い切る計算になるわけで (^^; さすがにこういう状況が来年度以降も続けられるとは思えません。しかもD0のメーカー主催イベントって、どこぞのTCGと違って基本的に“参加費無料”だからねえ(笑)。はっきり言ってしまうと、D0の競技プレイヤーは今現在「アクエリやPRのプレイヤーに賞金を工面してもらっている」のです。さすがにそういう状況はD0プレイヤーにとっても嫌でしょう。メーカーが奮起して何とかイベント開催を維持している間に、ユーザーがD0を盛り上げて人気や市場を拡大する方向に盛り上がって動き出す必要があると思います。申し訳ないですけど、このままでは来年度以降のD0は「本気でやばい」ですよ。

※ 追記

 ちなみにブロッコリーの決算資料からLyceeの販売実績は消えたままです。これに関して私個人は「Lycee単独の販売実績がブロッコリーブランドTCG全体の合計額を上回るような状況になっていて、さすがに企業イメージ的にデータを出せなくなった」と見ています。 (^^; 元々Lyceeは Silver Blitz の製品ですし。

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2008年4月10日(木) 23:27

アッー!姫(篤姫)

 物は試しにググってみたら、同ネタ多数でワラワラとHitしやがります。 (^^;

※ 遅れただけなのか、苦肉の策なのか

 なんでも「D0(ディメンション・ゼロ)をネットゲーム化する」という構想が出ているそうです。

 最新のメーカーコメントを見る限り、D0は少なくとも順風満帆と言える状況にはないようです。前から指摘している地方での苦戦が深刻みたいで、更なるテコ入れを始めるようです。あと競技イベントに支出する賞金の費用対効果を高めるため、賞金が出るイベントを大都市圏に集中し、事前にプロ資格を獲得したプレイヤーにしか賞金を渡さない(無資格者は賞金をかけたイベントそのものに参加できない)方式にするそうです。おそらくは囲い込みの強化(頭脳流出の抑止)というやつでしょう。

 そうなると、最初に書いたネットゲーム版D0は「賞金制イベントやプロ選手とは無縁の存在」になる可能性があります。少なくともMTGOがお世辞にも成功事例とは言えない状況なので、その辺の事例研究を踏まえて料金システムなどが決まるのではないでしょうか。私個人はそれこそ、D0の発売当初から「D0はネットゲームとの連動を考えるべきだ」と言ってきているので、今回の動きには注目しています。前から書いているように、地元には売っている店すら見つからないので (^^; うちのパソコンで手軽に遊べるネトゲになるなら手を出すかもしれません。ただし気になるのが、この話題が個人のblogなどで取り上げられている様子があまり見られないことなんですが。

 あと私は今回の検索で改めて思い出したのですが、D0はフォース・センチュリーの発売後、ファースト・センチュリーが通常の構築戦で使用不可になるようです。いわゆるカードセット落ちですね。はっきり言いますが「 Magic というゲームを真似たTCGは数あれど、カードセット落ちを真似たTCGは過去にない」はずです。あっても成功しちゃいないでしょうが。デュエル・マスターズは“生産終了”という形は取っていますが、カードセットそのものを使用不可にはしていないはずです。カードセット落ちという仕組みそのものの是非は今回触れませんが、個人的に「今のD0にカードセット落ちという苦難を乗り越えられるだけの体力があるのだろうか?」という素朴な疑問があります。それこそ最近の Magic みたいに「カードセット落ちの度に芋づる式にプレイヤーが減る」なんて事態に陥ったりしないのでしょうか。

 そんなこんなで、個人的には色んな意味でD0の今後が心配になってきております。メーカー自身が大きく施策を間違えたようにも見えないのですが、発売初期の段階で地方での展開に失敗した、その影響を今なお引きずっている印象を強く受けます。これだけメーカーが知恵を絞って浮揚策をあれこれやっても難しいのに、ましてや Magic みたいにユーザー任せというのでは・・・という感じです。

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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2008年3月31日(月) 20:12

ちりとてちんの「てちん」って何ですか?

※ 頑張って書いてみましたが、まあこの程度です (^^;

 ある方から「ディメンション・ゼロ(D0)の今後について」というお題を頂きました。はっきり言ってD0に対する私個人の知識は取るに足らない代物ですが、逆にド素人であるが故に見えてくる話もあるかと思うので、突っ込み所満載になるのを承知で書いてみます。 (^^;

 まず「日本のTCG市場でD0は生き残れるのか」というテーマですが、これは「『生き残った/生き残れなかった』という状況をどう定義するか」によって、話が随分と変わってきます。私個人は基本的に、格ゲーも Magic も日本では現在「生き残れていない」と見ています。確かに両者は今でもそれなりの市場を維持し、今でもそれなりには売れています。しかしそれらが結局“それなり”でしかないのも事実です。私個人が考えるゲームの成否というのは、一言で言うと「そのゲームが将来的に、プレー人口を増やして市場を拡大・発展させる、その可能性をどの位残しているのか」になります。そう定義すると、やはり日本の格ゲーや Magic を「死んでいる」と評することに、私個人は微塵の迷いや疑問も持たないわけです。ニューカマーの供給を絶たれた業界は、過去や現在がどうであれ、いずれは死ぬのです。遊戯王やポケモンなどの勝ち組に比べてマスコミなどでの露出の少なさも致命的ですし、未経験者や初心者が感じている敷居の高さも相当な物なので、おそらくこのままでは、両者が市場を拡大させて大きく再浮上できる可能性は、限りなくゼロでしょう。例えば Magic にはまるで無関心な格ゲーファンでしたら、私が持っている市場規模などの数字を示せば、多くが「 Magic ・・・死んでるじゃん」とおっしゃるでしょう。多分 Magic ファンから見た格ゲーも同じような感じです。ただ、その逆をやっても、自分が好きでのめり込んでいるゲームが死んだなんて話は認めたくないでしょうから、それこそ同じ物証を提示しても猛烈に反論されるだろうと思います。私に言わせると、両者には五十歩百歩どころか、それこそ五十歩五十一歩ほどの違いしかないわけです。 (^^; 更に言えば「勝利至上主義や競技偏重が、未経験者や初心者をそのゲームから遠ざけて、結果的にゲームそのものを殺してしまった」とも断言して憚らないですが。

 ならばD0はどうなのか。これに関して私個人は「発売当初はメーカーとプレイヤーが、まさに自殺の名所に向かって一目散に突き進んでいたのが、周囲からの『早まるな!』『まだやり直しはきく!』などの声かけが功を奏して、多くが我にかえって方向転換した」状況だと見ています。D0の創生期から御輿を担いでいた一部の競技プレイヤーには、この方向転換は不評だったようですが。 (^^; ブロッコリーが売上の一割以上を競技イベントの賞金に支出せざるを得ない状況は、はっきり言ってTCGという商材としては決して成功しているとは言えないと思います。ゲーム・クリエイターの心情としてはともかく、株主への配当を強く意識すべき、上場企業であるブロッコリーの取扱商品としては不適切なのです。今はそれで何とかなっているかもしれませんが、今後D0の売上が何かの弾みで半減とかしちゃった場合、メーカーに余力がないため一気に販促を縮小せざるを得ない状況に陥り、それがD0そのものの風評を貶めて一気にとどめを刺してしまう可能性もあります。ましてやそれで、外部企業が競技イベントのスポンサーになって・・・なんて展開が望めようはずもないです。だからD0を“人気があって売れるTCG”に変えるべくブロッコリーは動いた。その事に異論を挟む余地など、本来は無いだろうと私は思っているのですが。しかもそこまでやっても、実際にはそれでも満足のいく結果は出ていないわけですし。

 本題から逸れたのか逸れないか、よく分からない内容になってしまいましたが (^^; そろそろ本題に行きましょう。私個人はD0は全くと言っていいほど遊んでいませんが、それでもD0には「生き残って欲しい」と強く思っています。上に挙げた私個人の定義に基づいて言えば「今は市場で苦戦しているかもしれないが、将来的に多くのファンやプレイヤーを獲得して人気や売上を拡大する、その可能性を絶対に消して欲しくない」ということです。じゃあ実際はどうかというと、ブロッコリーが行っている施策が100%功を奏しているようではないみたいですが、同時に100%ダメというわけでもなさそうなので、まだ期待は持てるのではないかと考えています。ただし申し訳ないですけど、それこそアクエリアンエイジのような「鳴かず飛ばずだけど、流行っている地域を中心に何とか販売は維持できている」というレベルでの延命に留まるのではないか。今はそんな見方です。もしD0がそういう状況を打破できる画期的な手段を持っているとすれば、おそらくその手段は先にアクエリ辺りに適用されて効果を発揮しているはずなのですが、実際はそうじゃないですからねえ。 (^^;

 これはアクエリにも言えた話ですが、どうもブロッコリーブランドのTCGって「発売時点から購入対象となるプレイヤー層を自ら大幅に狭めてしまっている」わけです。しかもアクエリが《覚醒の乙女たち》の発売から3年以上経ってから《オリオンの少年》を発売して女性プレイヤー獲得を狙ったように、思ったようにTCGが売れないと見るや、大慌てで軌道修正して間口をこじ開け始めるのです。 (^^; だからアクエリでは、逆に私みたいな人間が「パックを開けて、野郎が描かれたレアカードなんか掴まされるのはたまらん!」と言って逃げ出したわけですが(笑)。そういう意味でD0はアクエリでの失敗に本当の意味で学んでいなかった気もします。ただしアクエリの時よりも軌道修正するタイミングは早かったと思いますし、その方法も多くの古参に納得してもらえる方向だったでしょう。でも、相変わらず「流行っている地域とそうでない地域の格差が激しい」という状況が改善される気配はあまり見られませんし、むしろその格差は日に日に拡大している印象もあります。この辺はブシロード(ヴァイスシュヴァルツ)が反省を活かしてゲーム発売前に初動を起こしているようですが。

 今後D0の運命を大きく左右するのは、おそらく「今D0が盛り上がっている地域を更にどう発展させるか」ではなく、むしろ「今D0が全く遊ばれていない地域に、どうやったらD0が浸透して輪が広がっていくか」という見方や発想だと思います。例えば石川県でD0が盛り上がってるからといって、隣の富山県や福井県にまでその影響が及ぶことは普通ないのです。ただし日本での Magic の歴史を見れば明らかですが、それには現在D0で行われている競技イベントは1%の戦力にもならないと思われます。むしろ「D0を楽しみたい」「一緒に遊ぶ仲間を増やしたい」「地元の馴染みのお店にD0で一儲けして欲しい」という有志が、現在D0プレイヤーが空白となっている地域にどれだけ現れるか。すべてはそこにかかっています。そういう点で有名イラストレーターの起用は大きな起爆剤になるはずですが、しかしそれでもなお決め手に欠けるという感は否めないです。ならば何をすれば良いのかというと、これが実は相当難しい問題です。だって全国規模でマンガやアニメにより販促したキッズTCGや、人気のある原作の話題性で売り込んだTCG以外に、この手の販促で成功したタイトルって実は過去に無いのです。しかも Magic が少年マンガ雑誌などへの紹介記事掲載で、どうにか中程度の成功を収めたと見なせる時期に比べても、趣味が多様化した現在は更に条件は悪化しています。ただ、だからこそD0には成功して欲しいのです。さもないと日本では「大枚はたいてアニメを作らないとTCGは売れない」なんて、嫌な経験則がまかり通ってしまいますから。

※ そこで1つ提案

 これは全く同じ提案をアクエリにも言い続けてきているのですが、D0も「欧米への展開」を考えてみてはどうかと思っています。ただし「アニメを向こうで放映してどうこう」「賞金制の競技イベントを展開して云々」なんて、そんな面倒なことは言いません。欧米のTCG販売店に、まずはゲーム性のないトレカとして取り扱ってもらうのです。それでマニアが食い付いてきて人気が出たら、そこで改めて「実はこれ、ゲームも遊べるんだぜぇ!」とやるのです。現にそういう感じで、欧米には日本の美少女系TCGが大量に輸出されてきたはずです。おそらくD0のカードイラスト(そのクオリティの高さ)を見れば、欧米の目が肥えたTCGファンも頷くだろうし、決して少なくない人達が飛び付いてくれると思うのですけどねえ。

※ 年度末なのら!(誰!? (^^;;; )

 今日で2007年度が終わりです。これから5月下旬辺りにかけて、ゲームメーカーの決算が相次いで出てきます。そこで我々は何を見ることになるのでしょうか。せめて日本での Magic の実績が、タカラトミーの口から我々に語られる。そんなレベルにはなってくれていることを期待したいものです。語られなかったら株主総会で問い質せばいいだけなんですが(ぉ。ただし、その前に日本では、ガソリン云々でどえらいパニックが起こりそうな予感ですが(笑・・・えない)。

※ そして、お待ちかね(!?)

 年に一度の「あの日」がやって来ます!(笑)

written by Aysen [ディメンション・ゼロ] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

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