あさがおさん観察日記 '09

2009年2月9日(月) 00:01

「たこルカ」の顛末に思うこと

 今更ご説明する必要もないかと思いますが、巡音ルカはクリプトン・フューチャー・メディアという会社が発売しているキャラクター・ボーカル・シリーズの第3弾ソフトです。第1弾は言うまでもなく初音ミクです。

 過去にこのシリーズでは、特にニコニコ動画への投稿作品の影響から、各キャラクタ(ボーカロイド)ごとに特定のアイテムが象徴となってきたようです。初音ミクはネギ。これは「 Ievan Polkka 」という楽曲を扱った動画の影響から来ているようです。(ボーカロイドの動画としてはもはや定番の曲ですが。)これが鏡音リン・レンは一転してロードローラー。 (^^; 鏡音リン・レンでは一時期、玉ねぎ派とロードローラーが熾烈な争いを演じていたようですが、最終的に発表されたある動画がロードローラーのイメージを決定付けました。私も実際にその動画は見ていますが、あのインパクトに玉ねぎで上回るのは不可能でしょう。 (^^; それで巡音ルカも当初はマグロという線で落ち着くかという感じだったようなのですが、そこに「ルカ自身をたこにしてしまった『たこルカ』の登場」という予想の遥か斜め上を行く提案があり、キャラクタの可愛さとか動画の出来の良さもあって、どうもそのまま定着してしまいそうな状況です。ただし、たこルカが「マグロが食べたい」と唱う動画もあったりするので、少なくともたこルカ派にはマグロ派を一掃する気はないようです。ひょっとすると、このまま両派が共存していくのでしょうか。

 このたこルカ誕生の経緯を読んでいて、個人的に興味深いご意見を拝見しました。要約すると「いくら個人が巡音ルカにマグロを持たせたいと思っても、あるいはたこルカの存在を疎ましく思ったとしても、その個人に巡音ルカを操って面白い動画を世に送り出す能力がなければ、この問題に対する発言権や影響力は無いに等しい」という感じです。これは私個人はかなり納得できる物でした。その前の鏡音リン・レンの時にしても、例のロードローラーが登場した動画を見た瞬間に「ああ、これでこの論争(!?)には決着が付いたね」と思いましたもん。一部で「やっぱり玉ねぎがいいんだ!」というファンがいて色々と抵抗は試みられていたようですが、それを遥かに上回る勢いでロードローラーの動画は再生され、コメントが付き、二番煎じや三番煎じのネタ動画が大量に世に出回る。それだけ見て面白かったし、インパクトがあったし、ある意味「やられた!」と思った人が大量にいたわけです。巡音ルカの件にしても、なんかマグロには「初音ミクのネギを持ち替えさせただけ」という印象があったのですが、たこルカに関しては事前に全く予想してませんでしたので。いや、予想できるはずもないですが。 (^^;

 よく一般に「世の中では声の大きいヤツの意見が通る」とか言われるじゃないですか。ただ最近はどうも、ネット上で他人を罵倒したり暴言を吐く人間に耐性ができてしまっていて、昔なら「悪い意味で声の大きいヤツ」という扱いを受けていたものが、最近は「雑音として完全にスルーされる」状況が増えている気がします。そうなると、声を大にして自分の意見を世に訴えて実現させようと思った場合、今までとは全く違う工夫をしなければいけなくなっているわけです。要するに「意見と同時に、あるいは意見より先に、皆が注目して喜んでくれる成果物を出せ」ということです。そうすれば興味や関心を持った第三者が大勢集まって自分の意見を支持してくれて結果的にその主張が通る。そこまで行かなくとも「話くらいは聞いてやるか」になるのです。例えばTCGの世界においても、それでメーカーの責任者から招集がかかって、直にお話をした個人なんかも少なからずいるようです。

 たこルカの存在を皆に忘れさせたければ、たこルカをいくら批判あるいは中傷してもおそらく無駄です。だって現に、たこルカを支持する人は世の中に大勢いて、そういう人達の手によって、たこルカには命が与えられてしまっているからです。もし誰かが、それでもたこルカの存在をこの世から消し去りたいと思うのであれば、皆がたこルカの存在をきれいサッパリ忘れ去ってしまうような別の可愛いキャラクタを生み出し、そしてそれが活躍する動画を世に送り出すしかないのです。それが出来ないからと言って延々とたこルカを批判し続けたとしても、そういう意見には下手すると誰一人として興味すら示さないかもしれません。こういう「他人をいかに動かすか」というテーマについては、ネットの世界もリアルの世界も、そんなに大きな違いはないようです。

[いつもの日記] [この記事のURL] [コメントを書く(コメント不可)]

この記事へのトラックバックPingURL
あさがおさん観察日記 '09

MySketch 2.7.4 written by 夕雨

Remodeled by CJ?ごろう