あさがおさん観察日記

2018年6月21日(木) 04:59

日本のTCGが陥っているジレンマに関する個人的な考察

 今日はこんなテーマで書き進めてみます。多分長くなります。


○ TCG販促の現状

 一昨年〜昨年にかけて起こった日本におけるTCG市場の低迷を受けて、ネット上では「TCG(ジャンル全体や個別タイトル)がどうすれば盛り上がるのか?」に関する考察や提案が数多く出てきています。売る側にしても買う側にしても現場に近い方々ほど危機感を募らせている感があります。ただそういうコンテンツの中からこんな声が複数見られるのもまた現実だったりします。


「安易な競技推進がTCGを疲弊させたのは間違いない
でも現実問題として何か販促企画をやろうと思った場合
競技イベント以外の企画をやっても人が来ない
だから結局競技イベント的な物をやるしかない」


 これは私自身地元で Magic の推進というか復興に動いていた頃に感じた感覚と全く変わりません。同じフォーマット(レギュレーション)の同じような規模の大会を開いても「公認」と「非公認」で参加者数が覿面に変わるのです。そのイベントの場で参加者に「君はメーカーが発表してる自分のレーティングとか把握してる?」と聞くと「何それ?」とか平気で言われるんですが、それでも参加者は「メーカー公認の競技イベント」に拘るわけです。


○ TCG販促が陥ったジレンマとは?

 そしてこういう状況が表題に挙げた「日本のTCGが陥っているジレンマ」を生み出したわけです。ちょっと具体的に書くと・・・


《競技イベントってなんか格好よく見える》

《取りあえず競技イベントを銘打てばそこそこ人が呼べる》

《一部の競技プレイヤーの中に選民意識が生まれる》

《店舗のデュエルスペースの占拠などを始める》

《競技に興味がないファンがお店に通いづらくなる》

《拡販を狙ってやった販促企画がプレイヤーをふるいにかける》

《ますます競技イベント以外の販促で人が呼べなくなる》

《1行目に戻る》


 「これを10年とか20年ほど続けた結果が今だよ」って書くと多くの方々にご納得いただけるんじゃないかと思っています。 Magic は言うまでもないんですけどなぜかキッズTCGであるはずの遊戯王辺りもこの状況を相当拗らせてますよね?しかも主犯が販売店ではなくメーカーの販促企画だったりするから頭が痛いんですが。


○ そこに立ちはだかる現実

 じゃあそういう現状に対して「TCGに昔(あるいはそれ以上)の賑わいを!」と考えて提案を出す場合、その提案がどこを狙い、どこまで改善させるのかを意識する必要があるだろうと私個人は考えています。どういうことかというと、その提案が「取りあえず競技プレイヤーが増えてお店が潤ってくれればいいや」なのか「TCGファンを多様化させて競技以外の需要を掘り起こしたい」なのかということです。言うまでもなくTCGというジャンルの今後を考えたら間違いなくやるべきは後者です。ただ現実問題としてそれは前者とは比較にならないレベルの難題です。それこそ最近 Twitter で言っている通り「その明確な成功事例は漫画とアニメと DAIGO さんのイメージキャラ器用くらいしかない」です。

 実際にはメーカーや有志が色々と知恵を絞って施策を行ってきたはずなんですが、まあ色々あって成功していないというか効果が乏しかったと考えていいでしょう。例えばここ10年ほど私個人は「カード能力は弱いけどカードイラストの破壊力が半端なくて市場で高騰したカード」という話を聞いた記憶がありません。メーカーや販売店が競技一辺倒で販促をやり続けた結果、そういう嗜好でTCGを買ってくれるファン層が絶滅したからです。これは私個人はあえて「絶滅した」と断言します。そういう状況下でTCGメーカーがゲームの拡販を狙ってカードイラストに力を入れても意味が無いんですよ。これは本当に一事が万事です。

# TCGメーカーがイベント会場などで配るプロモカードにしても本気で「カードの強さ」「そのカードを使ったら勝てるのか」だけでしか評価されないですよね。下手に弱っちいプロモなんか配ろうものならたちまちイベントに人が来なくなるという。

 物凄く平たく言ってしまうと「少なくとも現状日本のTCG界隈には実質的に競技プレイヤーしか残っていないから、当面はそのファン層を目がけた販促をやるしかない」ということです。そういう状況を放置したらどうなるかは容易に想像が付きます。まあそれこそ対戦格闘ゲームの見事な後追い自殺になるだけです。ただカジュアル層とかコレクターなんて人種がほぼ死滅してる、生き残った人達にしてもイベントなどに来ず自宅でひっそり楽しんでる状況だと思われる現状のTCG界隈で、その絶滅種を復活させて種の多様化を図るなんてのは相当な難事業です。10年とかそれ以上かけて滅ぼした種族を復活させたいのであれば、普通に考えたらその何倍もの時間と労力が必要なんですよ。はっきり言いますけどこんなことが出来る画期的な販促企画の提案なんて私も持ってませんよ。今TCGの復興に頭を捻る皆さまにそういう感覚が無いまま事を進めようとしている気配が見られることに、私個人はかなり不安を感じながら色んなご意見を拝見させていただいております。

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