ここ最近進んでいる Magic の販促企画再編に関して書いてみます。
先日発表された内容によると、今後 Magic ではゲートウェイレベル店舗でも開催可能だった発売記念パーティーが廃止され、その役割はコアレベル以上の店舗でないと開催できないFNMに集約されるようです。以前から Magic ではこのコアレベル以上の店舗に対する各種の優遇を進めてきたわけですが、今回その傾向が更に強くなった感があります。しかも Magic では現在イベント主催者を、個人ではなく販売店単位で認定しており、要するに販売店に対して Magic への特化と専門化を求めているわけです。(加えてコアレベル以上の店舗には新規プレイヤーの開拓まで要求しています。)
これに対しては既に「うちの地元にそんなお店はないし、コアレベルが満たせるようなプレイヤー数もいない。これじゃあ我々がプロモカードをもらえる機会が失われてしまう」といった危惧が出ています。まず最初に述べておきますが、これを私が言うのは意外に思われるかもしれませんけど「過去にWoCは散々『あなたの地元のお店を是非ともコアレベル店舗にしてください』というお願いをし続けてきた。それに対して未だにコアレベル店舗を地元に誕生させられていない地域の人達は、今まで自分達が十分な取り組みをやって来たかどうか一度振り返ってみて欲しい」ということです。実際のところ「出来ない出来ない」を言い続けて結局何もやってきていないのであれば、それは私から見て同情の余地はありません。
前にもご紹介しています通り、私は地元でのDCI認定トーナメントが参加者不足で成立しなくなる状況からその主催を引き継ぎ、なんとか20名とかそれ以上の参加者が見込める状況にまで盛り返した経験を持っています。ご承知の通り福井県は日本国内では下から数えた方が早い位人口が少ない地域です。福井市に関して言うと人口はせいぜい26万人ほどです。そのドが付くほどの田舎でちゃんとコアレベル店舗が維持できている。私はこれを以て「他の地域でも出来るっしょ?」と断言してしまうわけです。 (^^; じゃあ具体的にはどうすればいいのか。おそらくこういう件で大都市圏の Magic 販売店が書くノウハウは田舎の人達には参考にならないと思います。なにしろ勝負している土壌が違いすぎますので。ということで、果たして私の実体験もどこまで参考にしてもらえるか分かりませんけど、とにかく以下に書き置いてみます。
1.どのお店をコアレベル店舗に育てるか?
私に言わせるとこれが何より最も重要です。はっきり言うとコアレベル店舗にするに相応しい Magic 販売店を見つけた時点で、この話は既に達成したと言って差し支えないくらいです。
普通に考えると「自分がいつも通っているお店をコアレベル店舗にしたい」と思いますよね。まだコアレベルが云々なんて話がなかった時代から私は「このお店主催のイベントをやって Magic を盛り上げたい」と考えて行動を起こしていたのですが、その候補となったお店が実は当時2店舗あったのです。ただ色々な状況などを鑑み「これは二正面作戦をやったらプレイヤーなどのリソースを分散されて共倒れになる」と判断し、より可能性の高い福井市のゲームショップにパワーを集約した経緯があります。一方で最近私はその選に漏れた越前市のおもちゃ屋の方をよく話題にしますけど、私がそのお店を拠点に Magic イベントを開催しなかった理由はそういうことです。(ちなみにそのおもちゃ屋も Magic は現在でも取り扱っています。)
じゃあ具体的にどういう Magic 販売店をコアレベル店舗にすべきなのか。私個人が考える条件を幾つか挙げますと・・・
(1) Magic をそれなりに高い優先順位で売ってくれる
(2) 数十名ほどの顧客に供給できる量を常に仕入れてくれる
(3) (2) の仕入れで黒字が出せる十分な勝算がある
(4) デュエルルペースとして使える空間がある
(5) イベント開催に対して理解がある
(6) イベントからも利益を出そうという皮算用がない
(7) 店主あるいはスタッフの人柄で人が呼べる
・・・とまあ、こんな感じです。ちなみに越前市のおもちゃ屋は主に (3) がネックになりました。福井市と比べても人口が少ない上に、駅前のロケーションが良い場所に競合店までありましたので。そうなると売上的にも先行きが未知数だし、更にイベント開催で負担をかけるのはいよいよ厳しいわけです。ですから福井市でイベントを開きつつ、越前市方面から来られた参加者には「あっちにも Magic 売ってるお店あるから買ってあげてね」等の誘導をする方針に切り替えました。(もちろんイベント主催店である福井市のゲームショップの店長から許可を得ての話です。)
おそらく現在「うちの地元でコアレベル店舗なんて無理!」とおっしゃる方々は、その多くが (2) あるいは (3) が問題になっているのではないかと思います。はっきり言いますけど、これに関しては「本当にそのお店がコアレベル店舗に相応しいと思うのであれば、競合他店からお客さんを分捕ってきてください」と言うしかありません(笑)。「それは無理だろう。既にコアレベル店舗で Magic を強力にプッシュしているあのお店からお客さんを分捕る方法なんて思い付かない」そういうことであれば、やはりあなたが思っているそのお店をコアレベル店舗にすることは諦めるしかないでしょう。その場合でも(越前市のおもちゃ屋でも実施しているのですが)既にコアレベル店舗となっているお店との共闘を模索する手があります。例えばイベントの協賛店舗として某かの協力をするとか。それこそ店舗内にポスターを貼ってもらうレベルでいいんです。ゲームイベントの個人主催者なんて自分が主催するイベントの告知手段には飢えていますから。
あと上の (6) とか (7) も意外と重要です。イベントを動かし始める前にこの辺のネゴを取っておかないと後々揉めることになる可能性もあります。ちなみにこの辺に関して福井市のゲームショップは非常に理解があり、おかげでプレリリース・パーティーの時代に皆様ご承知の参加費の価格破壊を実現できました。冗談抜きで当時は日本国内最安値のプレリリース・パーティーを自負できていましたから。
2.いかにしてゲートウェイレベル店舗から卒業するか?
コアレベル店舗にしたいお店が決まったら、次にそのお店をいかにしてゲートウェイレベル店舗からステップアップするかを考えます。こういう機会なので、これに関しては私の口からキッパリと申し上げます。
あなたがすべての自覚と責任を持って
そのお店をコアレベル店舗に育ててください
私はこれをやりました(笑)。やったからここまでバッサリ言い切れるんですが。 (^^; イベントの申請から告知、運営、そして事後報告、そのすべてを“あなたが”やって下さい。そして認定トーナメントとして必要な参加者数を確保し、更に新規プレイヤー開拓のためにあらゆる手を尽くしてください。逆に言うと、あなたがそこまでやる気がないのであれば、安易に地元のお店をコアレベル店舗にしたいなどと言わない方がいいです。言われたお店側は途方に暮れてしまいます。はっきり言うと、あなたがこの件でお店側に言うべき内容は「このお店をコアレベル店舗にしてください」ではなく「僕がこのお店をコアレベル店舗にします」なのです。
じゃあそれでどの位でコアレベル店舗は出来るものなのか。私が福井市でイベントを主催していた当時の感覚で言うと「1年じゃおそらく無理で、3年くらいはかかることを覚悟しておいた方がいい」というところです。1年未満でコアレベル店舗に出来るようなお店は、もうとっくにコアレベル店舗になっているでしょう。更に言うと既存のコアレベル店舗が今はコアレベル店舗としての要件を維持するためにイベント開催を頑張っていますから、その中でFNMも開催できない新参者のお店がイベントに集客するのはなかなか大変です。だから私としては既存コアレベル店舗との共闘を提案したいわけです。なかなか首を縦に振ってくれるお店は少ないかもしれませんけど、でも地域に Magic コミュニティーを広げるという広い視野で協力してくれるお店があったらめっけもんです。FNMに人が集まりすぎて負荷分散を考えているお店がある可能性もありますし。
あと、イベントにどうやって多くの人を集めるかですけど、これは言ってしまうと“資本主義の原理”に基づきます。同じサービスやサポートを受けられるなら、人は1円でも安いお店を利用することを考えます。逆に同じ値段を払うのであれば、少しでもサービスやサポートの良いお店を選ぶでしょう。イベントで参加者に振る舞った数十円の駄菓子がイベントの差別化に大きく貢献することだってあります。更にスタッフの人柄やイベントの雰囲気も重要です。ここで前の1.で触れた幾つかの条件が効いてくるわけです。競合他店よりも面白いイベントを1円でも安く開催する。そういう実績を1年あるいはそれ以上積み重ねて差別化していくしかないのです。そしてそういう取り組みはやがて Magic イベントへの動員だけでなく、その主催店の Magic の売上にも少なからず影響を与えるはずです。
3.まとめ
以上の内容を平たく言ってしまうと「もしあなたが自分の贔屓のお店をコアレベル店舗にしたいのであれば、あなたがそのお店に入り込んで Magic の売上にまで責任を負うような意識でイベントを運営してみてください」ということになります。それが出来ないということであれば、そのお店をコアレベル店舗にしたいという夢は諦めた方がいいです。私は田舎のお店でそれを現にやりましたけど、やった上で言いますがそんなに簡単な物じゃありません。イベントを開いたはいいが参加者が一人だけなんて状況も起こり得ます。多くの人はそこで心が折れるはずです。でもそのお店の人はもっと以前から「この商品入れてみたけど売れないなあ・・・」なんて思いをずっとし続けていて、それでもお客さんのためにそのお店を維持してくれているかもしれません。あなたがそのお店をコアレベル店舗に出来ないとしても、それはそれで別の形でお店と関わり応援していく手もあります。そういう地道な応援によって、やがて数年後とかに「気が付いたらコアレベル店舗の要件を満たしてた!」なんてことにもなるかもしれません。商売なんてそんなに簡単に結果が出る物じゃないですが、でも何もしなければ欲しい結果を得ることも出来ないです。
# 要はそこまで Magic に注力して売ってくれる販売店を増やすのがこの販促企画再編の狙いそのものです。WoC自身が Magic ショップの専門店化と、その専門店化したお店への売上の集約を模索しています。良いか悪いかは別として、今はそういう時代になっているのです。あとは我々がそれにどう対応するかの問題です。
※ 追記
私が2003年9月に書いたエッセイの内容を思い出したので再掲してみます。(このエッセイへのLINKがなぜか消えているので (^^; 数日中に復旧します。何かのリニューアル作業の時に古いファイルから更新したせいじゃないかと思います。)
卵を産まぬニワトリたち